6年間の日記。はやかです。

*長いです。ごめんちょ☆五十嵐早香





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12月 29日

今日は叔父さんと叔母さんのお家にお泊まり！

ここに来たのは去年の夏以来だからすっごく懐かしいな。

隣町だけどお習い事が忙しくってなかなか遊びに来れなかったから嬉しい！

今日は寝て明日は幸子叔母さんと色んなお店に行きたいなー。

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1月 2日

叔父さんと叔母さんがあんまり外に出るなってきつく言うの。

お正月でみんな盛り上がってるっていうのに...

しかもこれからはしばらくこのお家に泊まらなきゃ駄目って。

去年の夏はあんなに優しくしてくれた幸子おばさんまで何だか冷たい...

おもちしか食べさせてくれなかったし...

ママとパパにそろそろ会いたくなってきちゃったな...

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3月 7日

今日叔父さんがこれから私はここに住んで近くの学校に通うんだって言ってたの！

家が恋しい気もするけど何だか少しワクワクしてきちゃった！

前の学校で仲良くしてくれた美兎ちゃんとお別れするのは悲しいけど...

でも何でこんな突然って感じ。

荷物ぐらい取りに行きたいなー。

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1月 13日

明日は新しい学校に行く日だよ！

楽しみだなー！

どんな子がクラスメイトになるかな。

お友達が出来るかちょっとだけ不安だけど大丈夫だよね！

だって私は今までいっつもクラスの人気者だったんだから！

幼稚園から小学5年生までずーっとそうだったんだから。 そうよ私、自信を持ちなさいっ！

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1月 14日

今日は新しい学校に行ってきたよ。

転校生だからってチヤホヤされるかと思ったら大間違い！

みんな私と目も合わせてくれないの。

きっとみんな恥ずかしがってるだけだよね。

可愛い子が来たからってビックリしちゃってたりして！

まぁ、冬休み明けの三学期から入ってくる子なんて珍しいしね。

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1月 20日

もーみんなひどい！

私を見てみんな内緒話ばっかり。

お話しようとしても私のこと見てどっか行っちゃうの。

特に悠真くんはとっても意地悪！

私のこと見て「詐欺が伝染るぞー」ですって。

私は本当に可愛いだけなの、詐欺も何もしてないじゃない！

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1月 24日

楓ちゃんっていうクラスの子が今日は話しかけてくれたの！

すっごく嬉しかったし、お話してて楽しかったな！

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1月 31日

最近私に話しかけてくれるクラスメイト楓ちゃんと公園で遊んだ！

楓ちゃんはなんでも物知りでクラスで1番頭がいいみたい。

ただの公園なのにすっごく楽しかったな。

パパとママにも楓ちゃんを会わせたいなー。

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2月 6日

ここずっと雪の日ばっか。

お気に入りのブーツも穴が空いてて靴下が濡れちゃうの。

早く叔母さんと叔父さん新しいブーツ買ってくれないかな...

きっとこんなみすぼらしい格好してるからみんなに笑われてるの！

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2月 11日

今日はすっごく楽しかったな。

楓ちゃんのお友達の風花ちゃんと3人で放課後遊びに行ったよ！

風花ちゃんもすごくいい子で良かったー。

また3人で遊べるといいな。

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2月 18日

国語の授業の時、担任の桃子先生に怒られちゃった。

楓ちゃんにノート借りてただけなのにな...

そのあとずっと廊下に立たされちゃってもう最悪。

なんか桃子先生すぐ私に怒る気がするけど、先生のお腹に赤ちゃんがいるって聞いたからしょうがないよね。

妊娠してる女の人って怖いものね。

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2月 22日

今日はお休みだか楓ちゃんと文房具屋さんに行ったらたまたま風花ちゃんと会ったの！

風花ちゃんと楓ちゃんがずっとお話しててなかなか外に出れなかったけど、2人とも本当に仲がいいんだなって思ったらこっちまで嬉しくなっちゃったよ。

その後は楓ちゃんと沢山お話した！

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2月 29日

今日って言うのかな？昨日の夜って言うのかな？

夢を見たの！

すぐ近くの海で走る夢だったんだ。

何でまっくらな海の近くを走ってたんだろうって自分でも意味わかんない！

夢って変なことばかりで面白いよね。

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3月 1日

いつも私の事をバカにする悠真くんが昨日から学校をお休みしてるの。

私にとっては嬉しいかもしれないけど少し心配。

きっといつもやんちゃしてるからどこか怪我したのかな。

自業自得ってこういう時にきっと使うのね。

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3月 3日

今日は楓ちゃんと休み時間に春休み中には公園で手作りサンドイッチを持って、お花見しよってお話してたら「私もー！」って風花ちゃんも入ってきたから3人でお花見しよってなったの！

幸子叔母さんの目を盗んでキッチン使ったらバレるか心配だけど、きっと上手くいくよね！

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3月 5日

桃子先生が今日はすっごく暗い顔をして教室に入ってきたの。

何かと思えば、悠真くんが行方不明になったんだって。

クラスの子が悠真くんの靴が海岸で見つかったから、きっと誰かに殺されちゃったんだって話してたのを聞いたよ。

あんまり外に出ない方がいいみたい。

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3月 12日

あと2週間で春休み！

楓ちゃんと風花ちゃんと行くお花見がすっごく楽しみ！

早く春休みになんないかなー。

あと、今日幸子叔母さんが毎日飲んでる野菜ジュースに虫が入ってたって騒いでて何故か私が犯人だって言ってたの。

私虫嫌いなんだから入れるどころか触れないもん！

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3月 18日

悠真くんが行方不明になってから元気がない桃子先生がかわいそうで、「先生大丈夫ですか？」って心配したの。そしたら「何が大丈夫よ！ 自分の生徒が行方不明になってるのよ？！」ってすっごく怖い顔しながら怒鳴られちゃった。

もー！

私が悪いわけじゃないのに！

それでもちょっとかわいそう...

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3月 19日

今日は学校帰りに海でお散歩してたらピンク色のハートみたいな石を見つけたよ。

すっごく可愛いから持って帰ろうとしたけど、学校にあるボールくらい大きくて部屋まで持って帰るのが大変だった！

あんなの持って帰ってるのを叔父さんか叔母さんに見られてたら、きっと置いてきなさいって怒られただろうな...

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3月 23日

朝教室に行ったら違う先生が居たの。

昨日の夜桃子先生が何かの事件にあったみたい。

家に帰ったら新聞には、桃子先生が住んでいるアパートの真下で発見されたみたい。

強く頭を打ったみたいだけど、これって誰かが殺しちゃったって事なのかな...

桃子先生のアパートこんなに近くだったんだ。

先生のお腹の赤ちゃん見たかったのにな...

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3月 26日

今日から春休み！

いつもよりゆっくり起きて...って訳にはいかなかったみたい。

幸子叔母さんにお家のこと手伝いなさいって、いつもぐらいの時間に起こされちゃった。

せっかくゆっくり出来ると思ったのになー。

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3月 29日

今日は幸子おばさんにお使いを頼まれたから外を歩いてたの。

そしたら楓ちゃんと風花ちゃんが一緒に歩いてるとこを見かけたよ。

話しかけたかったけど、寄り道したら叔母さんにまた怒られちゃうから話しかけられなかった...

でも誰がなんと言おうと、4月3日は楓ちゃん達とお花見する！

今みんな外に出ちゃダメって言ってるけど、折角の春休みだもん！

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4月 3日

今日は無事、サンドイッチを持ってお花見できたよ！

風花ちゃんも楓ちゃんもお母さんに町の治安が今は悪いから出るなって反対されたんだって。

でもみんな内緒で抜け出してお花見できたよ！

本当に楽しかったなー！

また学校が始まったら会えるのが楽しみ！

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4月 6日

今日から学校が始まったよ。

これで私も6年生！

でもね、今日風花ちゃんとケンカしちゃった...

新しいクラスのみんなまで風花ちゃんの事しかかばってくれない。

楓ちゃんが同じクラスになってたらこんな事起こんなかったのかな...

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4月 7日

もう最悪。

信じられない。

風花ちゃんが殺されちゃったみたい。

しかも風花ちゃん達とお花見した公園で。

カッターで刺された後があったんだって。

それでね、クラスのみんなが私が殺したんだって言うの。

学校が終わる前に走って帰って来ちゃった。

私だって風花ちゃんが死んじゃったなんて信じたくないのに。

ごめんねって言えないまま死んじゃうなんてひどいよ。

ケンカなんかしなきゃ良かった。

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4月 10日

今日も学校には行けなかった。

家にお巡りさんが来てたけど叔母さんが追い返して、アンタのせいよって私に言ってきたの。

昔はあんなに優しかった幸子叔母さん、どうしちゃったの？

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4月 13日

今週から学校に行こうと思ったけどやっぱり行けなかった。

叔母さんと叔父さんが、ご飯代のお金を置いてってしばらく旅行に行くって言って行っちゃった。

こんなに私が悩んでるのになんて酷い人達なの？

もう知らない！

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4月 15日

どうしようどうしようどうしよう。

今何が起こってるのか分からない！！

学校終わって楓ちゃんが心配して家に来てくれたんだけど....

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学校来なって言ってるれてる楓ちゃんにお前のせいだって怒鳴っちゃったの！

そんなこと別に思ってないのに勝手に体が動いてたの！

風花ちゃんと仲良くして仲間外れにするからって怒鳴ってた。

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それで気づいたら楓ちゃんが真っ赤になって倒れてたの。

私も真っ赤になってる。

お腹には包丁が刺さってる。

でもね、痛くないの。

しかも私と風花ちゃんが目の前で倒れてるの。

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日記なんか書いてる場合じゃないのに怖くてこの場から動けない。

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「え、さや？」

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え...私？

私がまた目の前にいる？

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倒れてる私と話しかけてる私が...確かに見える...

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「は？何言ってるのさや？母親譲りだとは言われてたけど、馬鹿なところも同じなんだね。」

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何言ってるのはこっちのセリフでしょ。

あなた誰なの。

勝手に私のフリしないでよ。

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「誰ってさや達が散々馬鹿にしてた、なんにも出来ないあやだよ？ 5歳の時以来だからってとうとう自分の姉妹のことも忘れたとか言わないでよね。悲しーなー」

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「でも良かった、私が殺してあげたおかげでお父さんもお母さんも大好きなさやに会えるんだもんね。」

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どういう事。

何笑ってるの。

殺したってどういう事。

じゃあ目の前にいる私が死んだのもあなたのせい...？

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「は？それは私の死体でしょ？」

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え、

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「さや、何か勘違いしてない？ここまで言っても覚えてないの？」

「相変わらず自分の都合のいいように考えて、仕舞いには自分自身までも騙すんだね。」

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「やっぱりさやもお父さんと同じ嘘つきなんだね。」

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あぁ、思い出しちゃったかも。

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会社の詐欺がバレちゃったパパの事も、寝室にマッチを投げた、なんにも出来ないあやの事も。

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「お父さんとお母さんの寝ている間にガソリンまいたのもあや。家を丸焦げにしたのもあや。」

「ね、すごいでしょ。あやはなんにも出来ない子じゃないの。しかも警察の人達はお父さんの会社のことが原因で一家心中しようとしたって思ってるんだよ。でもさ、お父さんみたいな悪者を倒したんだよ？ 私ってもっと褒められてもいいよね！」

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私が死んだ後の5年間、こんな狂った双子の姉妹に自分を重ねて生きていた、生きていると思っていたんだ。

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あや、じゃあ最後に聞きたいことがあるんだけど。

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桃子先生や悠真くん、しかも風花ちゃんまであやが殺したってことだよね。

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何でそんな酷いこと出来たの？

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「え、あれは私じゃ」

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あやは消えていた。

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下を見ると、叔父さんと救急隊員の人達が必死にあやを救っていた。